天使と呼ばれる子をもって

障害児(ダウン症)をもった父親が書いてます。

告知

人は本当に悲しいことがあるとどうなるのか?

好きな人に振られた時

友人や近しい人が亡くなった時

生きてりゃいろいろあると思うが今回のが僕の中ではTOP1の悲しい出来事だった。

 

 

奥さんと二人で約束の日時に病院へ行く。まず未熟児室で娘の姿を見てから先生のところへ行った。

 

先生は何も言わずに変なニョロニョロしたものが並んでいる写真を机の上に置いて話しを始めた。

 

f:id:downsyndrome100:20130827093009j:plain

 

「先日の染色体の検査結果が出ました。ご存知とは思いますが染色体は2本1対で出来ています。でこの子の染色体で21番目をご覧になって下さい。」

 

短いものが3本あった。

これがなんだというのだろう。

 

「これはダウン症と呼ばれる障害の特長です。」

正直僕はこの時ダウン症に関する知識なんて全然なかったので、あっけに取られていた。障害という言葉だけが頭の中を駆け巡った。

奥さんは少しは知識があったらしく、泣きだしていた。

 

ダウン症というものについて説明しますと個人差はありますが、健常な子供と比べて非常にゆっくりと成長します。また知的障害の部類なのであまり知能は発達しない可能性があります。」

 

僕の視覚から色が消えた。

何もかもがグレーに見えた。

僕は悲しいことがあると視覚にくるようだ。

 

このへんは、ボーっとして記憶が曖昧なので先生の話しもここまでしか覚えていない。

 

ただただ泣きじゃくる奥さんと淡々と説明する先生の声がきこえてただけ。

 

この時僕は何を考えていたのだろう?正直全然おぼえてない。

ただただ娘に会いたかった。抱きしめてやりたかった。

 

先生の話しが終わったのでもう一度未熟児室へ行き娘に会った。

保育器の中ですやすや寝てたが僕が抱っこしたいというと看護婦さんが保育器から出してくれた。

 

かわいそうに・・・・・

何故か娘を抱っこしながらこればかり考えてた。

 

なにがかわいそうだったんだろう。

障害をもって生まれてきたこの子?

泣きじゃくる奥さん?

障害児の親となった自分?

 

なんにも考えられなかった。